(16.11.11)

「町ができる 美しい町が」
本日11月11日から札幌市電の都心線で試運転が開始。
ずっと工事は見てきたけど、実際に電車が走るのを見ると、
なんだか夢のような、幻を見ているような不思議な感じがしています。
それだけ興奮していて、肝心の写真は酷いものなのですが、
これから1ヶ月ほど10:00から16:00まで試運転が続くということなので、
じっくりポイントを決めて撮ってみたいと思います。
それに開業すれば、この先ずっと日常の風景になるわけだし。

しかし札幌に居て新線開業に立ち会えるとは思っていなかったけど
(地下鉄は事実上整備が完了したし、新幹線は本当にやってくるのかも分からないし)、
この事業は単なる新線開業ではなくて、
札幌を、中心市街地の姿を大きく変えるかもしれない、
新しい形の「街」が誕生した瞬間であったと思います。

これが上手くいけば札幌はもちろん、全国の街づくりにも大きな影響を与える、
わずか500m弱だけど大きな一歩になるだろうと思います。

 

(15.11.29)

昨日は旭町から川を越えて大通まで撮り歩き。
途中、強い霰に降られる。
冬の最初と最後しか撮る気が起こらないので、
雪の季節の写真はいつも極端に少ない。
札幌という都市をほぼ専属で撮っていてそれでいいのかという疑問はあるけど、
鬱々とした感じを表現するのもしんどいし、
いつものように何とかやり過ごそうと思います。

 

(15.12.20)

思えば、新線の開業の場に立ち会うということは(しかも出来上がる過程を見続けることができた)初めてのことで、
またあまり考えたくはないけど、この先も当分はこういうことは無いだろうから、
最初で最後かもしれないと、この日の感慨はひとしおで、
今まで書籍や、自分の中の妄想にしかなかった光景がそこに広がっていました。
全廃の危機を逃れた札幌市電ですが、
近年でもその存廃の議論は行われていました。
そして、駅前通に40数年ぶりに路面電車を通すという事業。
当時の市長の決断によって紆余曲折ありながらも事業が進められ、
その流れを受け継いだ新しい市長がこの日テープを切りました。

そして、この路線は従来の2つのターミナルをつなぐということだけではなくて、
これからの人口減少やそれに対応したコンパクトシティにするための様々な工夫がされています。
たった400mほどの距離ではあるけど、
そこには札幌の、都心の、価値を更に高めるための非常に重要な新しい道となっているし、
これからの全国の都市のありようにも大きな影響を与えるものになると思っています。

とまぁ、語り始めるときりがないのですが、
夢に見た光景が現実となり、人が街が動き始める様子を見ると、
どうしてもこみ上げてくるものがありました。

 

(15.12.26)

そういえばエネループでも動くのかなと思って、
なんと8年ぶりくらいにかつての相棒EOS-1Nの電源を入れる。
フィルムを入れてみないと何とも言えないけど、各種動作は往時と変わらず快調のよう。
基本的な操作方法は今のEOSと変わらないから、違和感は無いけど、
ついシャッターを押すとダイヤルしかない裏蓋をいちいち見る癖が加わってしまった。

 

(15.12.31)


最近はどうも重いカメラを持ち歩くのもズームレンズを使うのも億劫という有様で、
何とか意識を変えないとなと思いつつ、
どうせなら年内の経費にしてしまおうということで、
半ば衝動的にAPS-C専用準広角単焦点レンズ「EF-S 24mm f/2.8 STM」を購入。

以前から使っているEF 28mm F2.8でもいいといえばいいのだけど、
焦点距離4mmの差は大きく(APS-C換算すると6.4mmの差)、
どうせならスナップに適した現代風のカリッとした写りをしてくれるレンズがあったらいいなと思った次第です。

それに実勢価格1.6万円程度と手を出しやすいのも魅力(新・撒き餌レンズといっていいでしょう)。
購入後さっそく街中を試し撮り。
といってもいつものような写真なので、
あまりテストとしては適してないのだけど、
全てが軽快で撮っていて面白かったです。
単焦点だから手袋のままズームリングに触れないで撮れるし。
キヤノンらしくフォーカスの速さもなかなか。

また最短焦点距離が16cmなので、
寄りで撮っても楽しめそうです。
ただ歪曲収差もなかなかのものなので、
場合によっては常に補正することになるかもしれません。
あんまりはしゃいでスナップしていると構図や水平が適当になってしまう恐れがあるので、
しばらく使い込んでみようと思います。


(16.02.05)

インフルエンザも完治した(と思われる)ところで、
28mmの古いレンズで用事がてら久しぶりに街撮り。
もっともインフルエンザの発症を自覚した日にも這うように菊水を少し撮っていたけど。
いつもは冬といえば鬱々とするもので、
殆ど何も撮らないで過ごしてしまうけど、
今年はちょっと調子がいいかな。
珍しく少しだけ遠出しようかなとも思ってみたりで。
もっとも一番鬱々とするのは3月中旬くらいだけど、
それどころじゃないという状態にしておきたいものです(≒仕事を下さい)。

 

(16.02.28)

三島由紀夫の言葉。
「大部分の写真は、不完全な主観の再現の手がかりに過ぎない」
なるほど、そうかも知れない。
自分は出来得る限り客観的でありたいとも思うのだけど、
それ自体が非常に主観的であるとも言えるかもしれないし。
まあ、客観か主観かということではなくて「不完全な主観」というのがここでの問題だけど。

「文士の用ひる言葉といふやつ」が果たしてそれを正確に再現するのかは分からないけど、三島の人物とか風景描写はさすがと思うことは多数。

あと、結論的にはちょっと違うんだけど「愛国心」と、
太宰コンプレックス全開の「小説家の休暇」という文章が好き。
これに限らずコンプレックスの塊のような人で、
どのみち長生きできなかった気もしないでもないけど、
年老いた三島の言葉も聞いてみたかったなと思います。

 

(16.04.03)

結局会期末になってようやく宮の森へ。
作品としては何度か見たことのあるものが多いけど、撮影風景を撮った記録映像が面白くてしばらく入り浸ってしまった。
10年近く前に某所の喫煙所で森山さんに「もし札幌を撮るなら何処をどう撮るか」と尋ねたことがあったけどダイレクトな形で答えてもらった気分。
何故かは分からないけど、近年のカラーの作品に強く惹かれるな。

次回の展示は東松照明の「太陽の鉛筆」
現代日本写真史に残るスタンダード中のスタンダード。

 


(16.05.12)

連休中から少しずつやっていた2000年頃から先月まで撮影したカラーネガとポジの整理がようやく完了。
学生の頃は同時プリントはもちろんインデックスさえもケチっていたので(昔はインデックス別料金だったんだよな)、
詳しく分からない、もしくは忘れているものも多い。
一応10数年前のフィルムスキャナは持っていて、
その当時にスキャンしたデータもあるにはあるのだけど、
今見ると低品質でやり直したくなるし(露出が取れてないのはどうにもならないが、特にポジ)、
だからといってそのスキャナを今のIntel Macで動かすのもなかなか骨が折れたので、
新しいフィルムスキャナが欲しいところ。

一応写真を撮り始めた頃から、
メインはあくまでもモノクロフィルムというスタンスだったので、
カラーフィルムは気分を変えたい時に撮っていたり、
遊びが入っていたりするので、
今見るとなかなか面白いものも多い気がする。
ゆくゆくはモノクロネガも含めスキャンしてリマスタするという、
「ナイアガラ計画」も実行したいところ。

 

(16.05.18)

amazonで業務用廉価フィルムを追加購入。

この春からどういうわけか学生時代以来のペースでフィルムを撮りたくなっている。
現在はデジタルカメラと併用しているので、
その辺の環境や撮り方は全く違うのだろうけど。

ふと取りだしたフィルムカメラを使ってみたくなったためか、
ここしばらくのマンネリを打破したいためか色々あるだろうけど、
一番大きいのは写真を撮る時に「選ぶ」という行為をとりたかったというのがあるかもしれない。

敢えて限定した条件を設定して、
自分の感覚で考えて選んだものが果たしていいものなのか、
そもそもちゃんと撮れているのかという不安もあるのだけど、
自分と写真の距離を今一度見直すきっかけになればと思う。

 

(16.05.30)

屋外での撮影ラッシュも一段落。
明日からはまた編集ラッシュを挟みつつ、次の週末も撮影ラッシュになりそうだけど。
そんな中、一昨日にフィルムのスキャンデータのダウンロードリンクがメールで届けられていた。

本格的なスキャンとプリントは自分でやりたいなと思っていたので、
フィルム現像とデータ化だけをやってくれる所はないかなと、
ネットで探してみたところ、
ちょうど要求に合致したので「トイラボ」さんでお願いしてみました。

撮影済みフィルムを郵送すると、
現像して先ずはそのスキャンデータがメールなどで送られてくるという仕組み。
スキャンされたデータのサイズは長辺774pxと小さいものだけど、
フィルム現像料金のみで料金がかからずに付帯するので、
とりあえず撮影結果をチェックするというだけなら最適です。
市内の普通のお店に頼むと結構費用がかかる上に、
明らかに面倒そうなお顔をされる場合もあったので、
そういう意味でもネットで同様のサービスを探してみるのもいいかもしれません。

また業者さんが熊本市内ということで、
何かのお役に立てればなとも思ったり。
震災の影響で作業が遅れているとのことでしたが、
送ってから概ね10日くらいで現像済みフィルムが帰ってきそうです。

寝不足気味なのにだいぶ飲んでしまったので、
うまく文章がまとまらないけど、
フィルムの現像が上がってくる期待と不安というのを久しぶりに味わったような気がします。
とりあえずカメラとレンズには問題無さそうなので、
もうしばらくフィルムでの撮影を続けてみようと思います。

どこかで発表できる機会があればいいだけど。

 

(16.07.31)

すぐに中央バスターミナルが見えてきた。
あいかわらず、地味な雰囲気で立っている。
見た感じは、人口10万人ほどの田舎町のデパートだ。

いつ頃建ったかは知らない。俺が高校の頃には、もう鄙びていた。
だが、鄙びてから強い、という人や物があって、中央バスターミナルは、鄙びてからその持ち味を発揮しているようだ。

(中略)

札幌中心部の中でも、創成川右岸はどことなく静かな一画だが、バスターミナルに一歩入ると、独特の安らぎの世界に踏み込むことになる。

空気全体が、なんだか優しく穏やかに澱んでいて、進歩だの前進だのという、不可欠だが落ち着かないあれこれとは無縁の世界。

いろいろと細かな模様替えは行われたのだろうが、四十年前とほとんど変わらず、ただただ長い時間をかけて、ゆっくりと衰退している、その落魄(らくはく)の安らぎのようなものが独特の落ち着きっぷりで、「心配しなくてもいいんだよ」と、見守ってくれているような気分になった。

東直己著「旧友は春に帰る」より

個人的に気に入っていたり、
地元の人でないと顧みられることの無いものや場所を、
こうして、その街で生まれ育った者でしか創れない「作品」にしたいと、
自分も追い求めてはいるのだけど、なかなか道は険しい。

 

(2016.11.30)

来年、村上春樹氏の新刊が7年ぶりに出るそうですね。
前作の「1Q84」の頃はまだ東京。
写真は2010年4月17日撮影の江戸川区葛西の書店。
新作は文庫になってブックオフでお手頃になった頃に読んでみようかと思っています。

さて、写真展の後片付けや各種残務はもちろん、
業務その他でも何かとバタバタしています。
まあ2月くらいには嫌でも余裕が出てしまうのだけど。
写真に関しては展示はしばらく休むと言いつつも、
その間にやってみたいことがいくつか。
実現可能性はともかく、思いつくままに列挙してみようかなと思います。

・個展(2018~2019年頃)
・2004~08年頃のフィルムスキャン(2018年頃まで)
・2008~11年に撮った東京シリーズの再構成(2020年まで)
・2011~15年に撮った札幌シリーズの再構成(2021年頃まで)
・フォトブックなど作成(随時)

新作もあるし恐らく計画通りにはいかないだろうけど、
この先5年くらいである程度体系的にまとめることができればなと思っています。