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2023-01-16 人を自由にする街(2023年1月大阪旅行記)

 2023年1月5日から8日まで大阪を訪れていた。あの疫病禍や様々な事情で3年近く北海道から出ていなかったが、その3年前にも一日だけ大阪を訪れて、千里ニュータウンを少し見たあとに阪堺電車に乗って、住吉区・住之江区の町を撮り歩いていた。思い越せば初めて大阪を訪れたのは、2002年の高校の修学旅行だったが、この時は開園されたばかりのユニバーサルスタジオジャパンがメインで、途中で無理やり道頓堀に立ち寄ってすぐに梅田から京都へ向かったし、2010年に東京からレンタカーで訪れたときも、そんなに時間が無かったので、御堂筋線の威容に感動したり、西成のあたりを少し歩いたりしたくらいだった。
これまで何かのついでに断片的に見てきただけで、町の位置関係も今ひとつ繋がっていなくて、自分の足で歩いて頭の中にある大阪の地図を埋めたいなと長年思ってきたし、少し前に「大阪」(著・岸政彦・柴崎友香 河出書房新社刊)という本を読んで、大阪の人たちが記した町や人の印象や、その雰囲気を自分も早く感じ取りたいと思った。また、若干の手詰まり感のあった自分の写真もどうにかなるかもしれないという淡い期待も込めて。以下に、写真やどうでもいい所感なども含めて訪れた町を記録しておきたいと思う。

 

2023年1月5日木曜日


 関西国際空港へは10年ぶりくらいだろうか。その時は沖縄へ向かう乗り換えのためだった。LCCの利用も久しぶりだったが、やっぱり座席が窮屈で2時間くらいが限界だなと思った。またターミナルから駅まで連接バスで10分ほどかかるので、帰りはちょっと早めに空港に着いておくべきだなとも思った。それらを差し引いても運賃の安さは魅力ではあるが。

 難波で昼食にしたかったので、南海電鉄の空港特急に乗る。1時間弱くらいで大阪の南のターミナル南海難波駅に着く。駅前広場は工事中で向こうに御堂筋が見えた。高島屋の前には、すすきのの路上でよく見かける「路上写真家」(面識はなし)が「札幌から来ました」といって出張販売をしていた。お目当てのカレーライスで有名な「自由軒」は臨時休業だったので、近くにあるやはり大阪名物の「551蓬莱亭」に立ち寄る。店の前はすごい行列だったが、2階のレストランはもう16時を回っていたか空いていた。注文した点心には「名物にうまいものなし」ということばが真っ先に浮かんだが、隣のテーブルにいたカルチャースクール帰りのご婦人たちの会話が非常に賑やかで、噂通り本当に漫才のようだな感心してしまった。他に歩いている人たちはもちろん、地図を買うために立ち寄った店員さんも誰もが関西弁で話していて、関西以外の人もたくさんいるはずなのに、すぐに同化されてしまうんやろうか、頭の中でつぶやいてみた。そういえば、エスカレーターも右側に立たなければいけないんだった。しばらくあまり刺激のない環境にいたのでまるで外国に来たような気になる。
それにしても平日なのになんばの商店街はひどい混雑である。道頓堀方面に向かうにつれてどんどん増えてくる。大阪を東京の町で例えることは許されないかもしれないが、周囲の店のチープで派手派手しい感じも相まって、まるで渋谷か原宿のようだ。観光客がその辺に立ち止まったり、座り込んだりして何かを食べているのも嫌だし、何より人混みに耐えられなくなってきた。これは2,3年の自分の中の大きな変化かもしれない。大した写真も撮れそうになさそうだ。

 御堂筋に出て心斎橋駅にたどり着く頃にはちょっと落ち着いてくる。御堂筋線の心斎橋駅はリニューアル工事が大詰めで品の良いクラシカルなホームになっていた。当初発表された派手派手しいキッチュなデザイン(勝手に「維新様式」と呼んでいる)にならなくて本当によかった。そして、地下鉄近接時のメロディとマッキントッシュの起動音みたいな警笛が聞こえてくるとようやく「大阪に来たなぁ」という気分になる。ちょっと調べてみると同じような感想を持つ人は意外と多いようだ。どこの都市にもかかわらず、地下鉄に乗るとなぜか心が落ち着く。それにしてもなぜ大阪の地下鉄はやたらと警笛を鳴らすのだろう。もうすっかり日の暮れた地上に地下鉄は出て、淀川を渡って西中島南方駅まで。今回のホテルをこの近くにとったのも淀川の近くがいいと思ったからだ。

 

 チェックインを済ませホテルを出る。淀川までは歩いて5分ほど。新淀川大橋に出ると、眼前には梅田の高層ビル群の夜景が迫ってくる。頻繁に行き交う自動車と御堂筋線の電車とを含めたこの風景にすっかり魅了されてしまった。川を越えて30分ほど歩くと梅田駅前に到達する。また別の町に例えてしまうが、梅田は新宿のようで、同じ盛り場でもこちらの雰囲気の方が自分は適用できるようだ。思えば東京にいた時も渋谷より新宿が好きだった。
梅田では「大東洋」というサウナ施設に立ち寄る。ここのところサウナ通いをしている身としては大阪といえばという施設に行ってみたいと思っていた。関西ではサウナパンツと呼ばれる綿のパンツを履いてサウナに入るという。郷に入っては郷に従えとはいうが、そこまで徹底されておらず、めいめいが好きなスタイルで入っているようだった。施設自体はベーシックなサウナ・スパ施設だったが、梅田の真ん中で露天風呂に入って疲れを癒やすのも、なんとも風情があっていいなと思った。もう遅い時間だったので、そこでビールと軽い食事にした(昼の時点でもすでにビールは飲んでいたけれど)。帰りは阪急電車に乗ることにした。阪急梅田駅の巨大な頭端式ホームと、ピカピカに磨き込まれたホームやマルーン色の電車には一種の感動を覚える。梅田からホテルのある南方へは二駅。
0時過ぎくらいにホテルに戻る。明日はどこを歩くかサウナで考えるつもりだったけど、いつものことながら一度サウナに入ってしまうと何も考えることができなくなる。ただ、何も予定を決めずに歩くというのもとても贅沢なことだ。

この日歩いた距離は11キロメートルほど。

 

 

2023年1月6日金曜日

 この日はいくつかのチェックポイントの他は好きなように撮り歩こうと思っていた。とりえず淀川の河川敷を歩いてみたいのと、日が暮れる頃には大阪港・天保山あたりにいれればといいなとは思っている。
ホテルから歩いて5分ほどで河川敷に出る。やはりこの開放的な風景と川向うの高層ビル群の対比は何にも代えがたいものがある。東京にいた頃は住んでいた場所の近くにあった荒川の風景が東京のどこよりも好きだったが、この淀川もそれに劣らない魅力がある。永井荷風が荒川について書いた随筆「放水路」を思い出す。そこにあるように、大きな川沿いを歩くことは、町の中にありながら誰にも何にも邪魔されずひとり空想を巡らせながら歩いていられるのがいいのかもしれない。札幌市の豊平川は身近なものだが、他にも仙台市の広瀬川、新潟市の信濃川、広島市の太田川など好きな川はたくさんある。
十三大橋という昭和7年に架けられたモダンなアーチ橋を渡る。このあたりは近世には「十三の渡し」としてすでに交通の要衝だったようだが、この橋のすぐ横には阪急電鉄の神戸線・宝塚本線・京都線の鉄橋がそれぞれ架けられていて、ほとんど切れ目なくい電車が川を渡っている。川を渡るピカピカの阪急電車もまた見飽きないものである。

 川を渡ると中津の町に入る。梅田の近くにありながら落ち着いた下町という感じで、古くからの商店街や中小規模のマンションが立ち並んでいて、もし大阪に住むことがあればこの辺がいいなと思った。実際に単身者を中心に人気のあるエリアらしく、立地の割に家賃も手頃という気がした。ただ、この近辺では「うめきた」の大きな開発が進んでいるので、いずれは雰囲気を変えるのかもしれない。それにしても中津に限らないが、大阪はコインパーキング(こちらではモータープールと呼ぶらしい)の最大料金がやけに安い気がする。時間の違いもあるが概ね600円から800円程度、梅田の中心部でも2000円を越えることがなかった。だいたい札幌より1000円近く安い感じがする。もしかすると雪の問題もあって札幌が高すぎるだけかもしれないが。幹線道路も広くて案外、大阪は自動車があっても暮らしやすい街なのかもと思った。それ以上にとにかく自転車が走り回っているが。

 中津から御堂筋線に乗って動物園前まで。特に寄ろうとは思っていなかったが、まだ朝で観光客もまばらなジャンジャン横丁や新世界などを歩いた。さらに西へ歩こうと思ったが、胃腸の調子が今一つで(朝に久々にブラックコーヒーを飲んだからに違いない)、再び地下鉄に乗って大国町駅で降りた。地下鉄駅リニューアルの進む大阪メトロであるが、まずはトイレを綺麗にしようというのが分かりやすいサービスアップでいいなと思った。
大国町駅前には大きな交差点があるが、さらに西へ進むと高層の公営住宅などが立ち並ぶエリアに入る。全国水平社の記念碑があったり、人権問題に関する施設があったりと、この地域の特徴にも思いを巡らせた。


工場や廃棄物処理場のようなところを通り抜けると線路に行き当たる。ちょうど電車もやってきた。ここは南海電鉄の木津川駅で電車も30分に一度くらいしかこない大阪の秘境駅である。駅舎も無人であるが、この駅舎も、先に述べた「大阪」という本の口絵に使われているのに惹かれて、ここはぜひ訪れておきたいと思っていた。駅のほかは砂利道や工場などがあるばかりでここが本当に大阪なのかとも思った。
狭い道にひっきりなしにダンプカーや大きなトラックがやってくる。壁に添うようにして歩いていると、ようやく少し開けてきて「落合上渡船」の看板が見えてきた。渡船は10年くらい前に神奈川の浦賀で乗っただけだ。これも北海道には今はないものである。ちょうど船が着いたところのようで自転車が数台降りてきた。コンクリートの堤防に出て少し待っていると、たちまちにまた数台の自転車が集まってきて、向こう岸から船が戻ってきた。対岸まで距離にして100メートルほど。川が多くそれでいて橋の少ないこの地域では重要な日常の足になっていて、平日の昼間に関わらず結構な乗客がいるようだ。船頭さんは比較的若年の市職員が4名、なんだか楽しそうにやっている。時刻表を見ると元日の他は朝6時から夜9時まで15分おきくらいに行き来している。なんとものどかな雰囲気で、大きな船や水門などを眺めながらたった数分で終わってしまう船旅もいいものだ。

 船を降りると大正区。少し歩くと築10年くらいの新しい戸建住宅がびっしりと建ち並んでいる。郊外にあるようなメルヘン調なスタイルで統一されていて、ここは以前何があってどういう経緯で住宅地になったのだろうと思った。大正区は地下鉄も鉄道もほとんど無いためにマイカー置き場があるのが標準的なようだ。グーグルマップで見つけた唐揚げ定食が有名なお店は店主怪我のため臨時休業とのこと。今回二度目の臨時休業だ。もう14時を過ぎていてこの辺の他には飲食店も無さそうなので、近くの信州そば店でにしんそばにした。
また少し歩いて団地を抜けると、「甚兵衛渡船」がある。ここもそれなりの乗客がいた。やはりみんな自転車に乗っている。船を降りると工場や下水処理施設などが続いている。大通りに出ると路線バスが結構走っているようで、市岡というバス停にちょうど天保山行きのバスが来たのでそれに乗ることにした。日もだいぶ傾いてきた。

 大阪港・天保山は海遊館(水族館)やショッピングモールなどがある代表的な観光地の一つで、この日も平日ながらそこそこの人出があって観光船の乗船口には列ができていた。ユニバーサルスタジオジャパンへの船は10分ほどで着くという。夕暮れの迫る岸壁に出て、行き交う船やガントリークレーンなどを眺める。突端の方に行くといずれも禁止はされているが、釣りやスケートボードを楽しむ人達もいて、やはり港は永遠のグレーゾーンだ。夕陽を見るスポットとしても有名らしく、朝の目標通りに天保山で夕暮れを迎えることができた。ただ、海沿いにあって吹き付ける風は、札幌にいた時と同じ服装だったのに、なかなか寒くて長い時間はいられなかった。また完全な余談ではあるが、この港の突端部にはとある輸入車メーカーのショールームがある。それなりの高級ブランドなので自分には縁はないけれど、この潮風が激しく吹き付ける展示車や在庫車は手にしたくないなと思った。もっとも知らないだけで我が愛車もどこかの港で潮風に吹かれていたかもしれないけれど。

 天保山から大阪駅前までのバスに乗る。1時間弱ほどで大阪駅前に着くらしい。終点に近づくに連れてなかなか混み合っていた。金曜の夜、大阪駅前は結構な雑踏である。やはり日本のサウナの老舗であるニュージャパン梅田に行きたかったが、土地勘も無くすっかり迷ってしまった。スマートフォンで地図を参照するようになったからか、最近では地図を読む能力もすっかり衰えてしまった。ただ、人でごった返す梅田周辺の商店街や飲食店街や、ホテルが居並ぶ兎我野町などをカメラを手に彷徨い歩くことができたのはよかった。いつもはススキノばかりだけど、こういう盛り場を一人歩いて街の様子や様々な人間模様を垣間見る時間も何にも代えがたい。
この日のサウナはそのセッティングにうまく馴染めず、あまりいい結果ではなかったが、それなりにはリフレッシュしてビールと食事にしたあとは、再び梅田の繁華街に出る。もう終電間際とあって先程より明らかに人は増えている。みんないい感じに酔っ払っていて好き勝手に話したり、物陰でぐったりとしている。終電が早い人たちは京都や神戸方面に住んでいる人たちのよう。こうした乱痴気騒ぎもなんだか愛おしい。
それにしても最近の流行に乗ってか、このあたりの繁華街にはハングルのネオンサインや若者向けにアレンジされた韓国料理店が多く見られた。まるでソウルの明洞(ミョンドン)の街並みのようだ(行ったことは無いけれど)。ススキノも最近はこうした店も増えてきていて、歓楽街がよりアジアンテイストになってきている。梅田から前日と同じく阪急電車で帰ることにした。車内の若者グループの話もあまり内容がない漫才みたいで面白い。南方で降りて周辺の飲食店街を少し歩いてからホテルに戻った。ここもなかなか賑わっていて気軽に飲みに出かけたら楽しいだろうなとも思った。東京にいた頃にも思っていたけど、大抵の駅には盛り場があるのは大都市ならではのものだ。

 この日は河川敷、観光地、住宅街、港湾、歓楽街など大阪の様々な面をみることができて、その魅力に存分に浴した一日だった。個人が個人のまま、誰にも干渉されない自由があるのが大都市、誰かとつるむのもまた自由。これからどんなに社会が荒んでいっても、大都市の持つ自由さは永久に失われてほしくない。

この日は22キロメートルほど歩いた。

 

 

 

2023年1月7日(土)

 この日はまずやはりホテルから近い十三(じゅうそう)の街を歩くことに。前にも書いたように近世からの宿場町で、今も阪急の3路線が交わる交通の要衝でそれなりの規模の商店街・飲食店街が続いているようだ。そして阪急京都線が大きくカーブしているせいか、街路がいくつも斜めに走っているせいか、方向感覚が今ひとつ掴みにくい。ここでしばらく撮っていても面白いのだけど、この先天気も怪しくなってきたので先を急いで今日も色々な町を巡ってみたい。

 新十三大橋で淀川を渡る。郊外へ向かう片側4車線の真っ直ぐな一方通行で思う存分スピードが出せそうだ(ランプには白バイが潜んでいたけれど)。隣の十三大橋は都心に向かう3車線道路だった。他にも新御堂筋やいくつかの大通りは車線が多く(時間帯にもよるだろうが)、東京よりもずっと幹線道路や高速道路が整備されているなという印象がある。


福島区に入った。ここも梅田のすぐ隣ながら昔ながらの下町という感じ。ちょっとだけエスニックタウンの香りもする。いくつかの商店街や木造家屋が密集していて、道路も碁盤の目ながら結構狭い。もう少し歩いてみたかったが、福島駅に戻ったところで雨が降ってきた。その後どうするか、雨が降っている間はどうするか、何も考えていなかったから、とりあえず大阪環状線外回りに乗って考えることにした。

 身体もやや暖まってきたところで京橋駅を降りる。ここはJR線と京阪本線の交わるターミナル駅で、やはりそれなりの盛り場のようだ。雰囲気的には東京の神田・秋葉原付近にも似ている。昼から飲める立ち飲み屋のようなお店がたくさんあってなかなか賑わっている。雨はまだ止みそうにないのでちょっと休憩することにした。ちょっとした坂道もあって平野の続く大阪では新鮮に見えた。
再び環状線に乗って鶴橋で降りた。雨はもうほとんど降っていない。駅を降りるとすぐに喧騒、そして肉の焼ける匂いが飛び込んでくる。鶴橋は1920年代以降朝鮮半島から渡ってきた人々が集まって出来上がった、恐らく本邦一のコリアタウンで、駅前商店街には数多くのキムチや韓服など朝鮮半島に関わるものが売られていて、また屋台や料理店もたくさんあって、店員も観光客も何割かは韓国朝鮮語を使っている人々がいる。本当に韓国に行ったような気分になった(しつこいようだが韓国には行ったことはない)。
雑多な商店街は大阪にはたくさんあると思うけど、ここ鶴橋ほど独特の雰囲気を持つところはきっと他には無さそうで、そんなに長い時間歩いたわけではないが、非常に気に入った町になった。

 例によってこの日も夕暮れ近くに昼食になってしまった。とはいえ、事前に何となくあたりを付けていた焼肉店「鶴一」に入る。つけダレ発祥の店で鶴橋では老舗らしい。今回の旅行で初めて思った通りに飲食店に入ることができた。一人焼肉は好きで札幌でもたまにやるのだが、一人で焼きながら飲むとなるとこれがなかなか忙しい。
それにしても歩き疲れていたのか瓶ビール2本で結構酔ってしまった。相変わらず寒くもあったので、地下鉄千日前線に乗ってなんば、御堂筋線に乗り換えて前の日と同じくリニューアルの中にある各駅の様子をしばらく撮っていた。リニューアルの解釈は様々なようだけど、90年前に造られた荘厳な駅舎が基本形のまま使い続けられているのはすごいことだ。

 淀屋橋から地上に上がる。夜の御堂筋はあまり人も歩いておらず、電柱のない広い道路をミナミに向かう車たちと、モダンなビルたちが静かに佇んでいて、これまでの喧騒が全く嘘のようだ。こういう全く違う表情を見せてくれるのもこの街の魅力だろうか。しかし、梅田駅前に近づくとまた人が増えてくる。以前訪れたときは駅前の地下道の構造が分からず、目の前の百貨店にもなかなか近づけないという感じだったが、JR駅がリニューアルされたり、新しい歩道橋ができたりで、すっきりと歩きやすい道になっていた。阪神梅田本店も昨年に新築されたばかり、阪急うめだ本店も比較的最近に建て替えられたようだ。数々のモダン建築が失われたのは残念なことではあるけど、高島屋難波店や大丸心斎橋店などとともにに盛んな関西の百貨店文化にも思いを巡らせる。しかし、何か土産物をと思ったけど、なかなかこれといったものを見つけられず、いくつかの百貨店の地下食品売り場を彷徨い歩くだけだった。結局帰りに空港で買い求めたが大阪土産の定番はどのへんになるのだろう。

 御堂筋線改札口には人がやけに集まっている。停電で運休中とのこと。他にも振替輸送のルートはあるとは思うが、主要な繁華街や新幹線駅を最短で結ぶのは御堂筋線だけでその影響は小さくないようだ。これまで通り阪急で南方まで戻るか、せっかくならバスで戻れないかと駅前をウロウロしていたが、適当な時間のバスもなく、そうしているうちに地下鉄も動き出したので、それに乗ることにした。
酒を飲んでいたのでサウナはやめにしたけど、結局飲み足りないとなってコンビニでハイボールなどを買って、荷物やデータ整理などをしながら飲んでいた。


この日も20キロくらい歩いた。天気が良ければもっと歩きたいところもあったけど、以前ほどは体力が無くなってきている気がする。

 

 

2023年1月8日(日)

 9時前にホテルをチェックアウト。アクセスも良くてなかなか過ごしやすいところだった。この日は天気もよく、夕方4時には関西国際空港を発つので、だいたい午前中くらいにできるだけキタからミナミまでざっと歩いておきたい。

 まず向かうのはやはり淀川。初日と同じく新淀川大橋を渡るが、今回はまだ朝なのでまた違った川沿いや梅田のビル群の風景に魅了される。日曜日だったから少年野球の試合やランニングイベントのようなもので人々が集まっている。やはり都心から近くに大きなオープンスペースがあるのはいいことで、都市や人々のあり方にも影響を及ぼしている気がする。特に都心に大きな公園などがない大阪では。


川を越えると豊崎町に入る。ここも梅田の近くにありながら落ち着いた町だが、ここも中津と同様いずれはその雰囲気も変わっていくのだろうか。JRのガードをくぐると金曜の夜に歩いた堂山町とか兎我野町の歓楽街にたどり着く。午前中なのでさすがに人はまばらだが、こういうあっけらかんとした歓楽街もまた非常に好きなものである。歩いていると鐘の音が聴こえる。近くに教会があるようだ。他にも寺社などもいくつかあって、やはり花街と寺町は重なるものなのだなと思った。

 淀屋橋・本町・船場などのビジネス街を歩く。やはり日曜日とあって開いている店や歩いている人はほとんど無い。多くは電柱のないすっきりとした街並みだ。松屋町筋に出ると人形や玩具を扱っている店が多く集まっていて、桃の節句に向けて雛人形を探している人々の姿があった。またスポーツ用品店もいくつかあって、昨年通販でスキー板を買い求めた店もあった。
東心斎橋や宗右衛門町などの繁華街に入ると、また人が増えてきてだんだん真っ直ぐに歩けないほどの雑踏になってくる。当然ながら平日以上にごった返していて、最後にもう一度行ってみようかなと思っていた自由軒もそれなりの行列。結局なんばCITYの店に入ったけど、「ミナミ」との和解はまた今度となりそう。

 結局時間ギリギリまで歩いていたので、急いで南海電鉄に乗って、連絡バスに乗ってターミナルで土産物を買っていると、それなりに余裕は持てたけど結構いい時間になっていた。所要時間ではだいたい同じみたいだが、神戸空港の方が使い勝手がいい感じもして(伊丹空港はよっぽど時間に余裕がないか予算に余裕がある時だろうか)今後の参考にしたいと思う。
再びLCCの狭い座席に納まって新千歳空港まで2時間弱。今回は自家用車で空港に行ったので、駐車場の迎えのマイクロバスに乗って、数日ぶりに自分の車のシートに座ると、あまりにあっという間に移動してきてしまったことにあっけなさを感じる。思えばこういう距離感が補正できないような不思議な感覚になるのも久しぶりだ。

そのまま山道を走って自宅に帰ればいいのだけど(しかも道路も乾いていて走りやすい)、それなりの疲れがあったり、なんだか締まらない感じもしたので、千歳市内の銭湯に立ち寄った。初めてのところだったけど、サウナに力を入れていて、もうちょっと空いていればなかなかいいところだなと思った。大阪のあまり混んでいない感じも好きだったけど、やっぱり総合的なクオリティでは北海道のいくつかの施設のほうがいいかなと色々考えているが、これはその辺にしておこう。
千歳市から山道を走って1時間弱で札幌市の自宅。それから何日かかけて、記憶の新しいうちにと写真を整理して、このテキストを書いている。大阪はとても何日か何年かでまわれるような街ではないけれど、もう少し時間があれば、大阪環状線の東側の町や、天王寺より南側、さらにはもっと足を伸ばして京都など、行ってみたいところはいくつもあった。全部を周るのは不可能だろうし(東京も全部周っていないし、その間にどんどん変わってしまっている)、最初に訪れたときと、その後では町の見え方なども当然変わってくるだろうけど、大阪はとにかく歩き甲斐のある街だった。東京とは全く違う、独自の文化や言葉のためか、大きな地方都市、またはまるで外国の首都を訪れたような感じがした。大阪に限らないが、どこか他の都市にでかけて、その街や人々のありようを感じることは自分にとってやはり重要なことで、次はいつになるか分からないけれど、また自分の好きな大阪を撮り続けたいと思っている。

その他大阪で撮ってきたもの。

2023-01-05 大阪 (全32点)
2023-01-06 大阪 (全86点)
2023-01-07 大阪 (全99点)
2023-01-08 大阪 (全55点)