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神戸・大阪・高松への旅(2020年2月24日)

2020年2月10日から14日まで神戸・大阪・高松へ旅行に出かけた。
特に強い目的を持つわけでもなく、何となく行きたい街を選んだが、
期待以上のとてもいい街だった。
たくさん撮ってきてしまったので、写真についてはまた他日。

【1日目】2月10日(月)

昼前の便で、新千歳空港から神戸空港まで約2時間弱のフライト。
当初は空港連絡バスで空港まで行こうと思ったが、
降雪の影響なのか通常1時間のところ、2時間以上かかるという。
急遽家族に空港まで送ってもらったが、やはり冬場の北海道は、
空港までの距離もあってなかなか時間が読めない。

さて、あっという間の2時間で、上空から神戸の街が見えてくる。
空港は市街地からほど近く、ターミナルもコンパクトで使いやすい。
大阪に出るにしてももしかすると関西国際空港より便利かもしれない。
ただ、海の上なので風は強く、寒さの感覚は札幌とあまり変わらず、
結局四国に行くまで札幌から着てきたコートのままだった。

ポートライナーで三宮まで向かう。空港から18分とのこと。
ポートライナーは自動運転なので先頭座席を陣取ると、
ポートアイランドや神戸港など、街の様子がよく見える。
隣りにいた幼い兄弟がその光景に驚いているのが印象的だった。

スーツケースをしばらく引きずり、まずは三宮駅から徒歩10分ほどのホテルにチェックイン。
荷物を置いて一息つけたらさっそく歩き始めよう。
まずは山の上から街を眺めてみたい。

三宮駅前に戻って市バスに乗って摩耶ケーブル駅の近くまで。
周囲は静かな住宅地でなかなか急な坂道を登る。
しかし、摩耶ケーブルは16:30でその日の運転は終わってしまうとのことで、
自分のあとからやってきた観光客とともに虚しく引き返す。
六甲山なら夜でも登れるらしいが、雨も降ってきたので別に機会を求めることに。

この日は重苦しい曇り空で時折の小雨。こういう日は頭痛が酷くなる。
何とも幸先が悪いなとも思ったが、ケーブル駅周辺の住宅地の様子や、
行き帰りのバスで乗り合わせた学生の会話を聞くのが、
なんとも楽しくて、自分が理想とする「その街の日常に溶け込んで、住人になったように旅をする」ということをさっそく実行できたような気がする。
それでいて「この道はもう二度と通ることはないんだろうな」としみじみ思うことも一種の旅情かも。

そのまま雨の中、日没を迎え、神戸市役所24階の展望室から街を眺める。
ここは無料で街を眺められるとあって、そこそこに利用者がいる。
しかしもう雨の中歩きたくもなかったので、神戸市営地下鉄をいくつか乗り継いで郊外の名谷駅まで。
帰宅ラッシュ時でだいぶ混み合っている。
地下鉄西神・山手線の70年代に開業した駅は当時の雰囲気のままなので、それを感じるのも楽しい。
また都心方向に戻って今度は神戸高速線という地下鉄のようなもの乗ったけど、
こちらは更に古く60年代頃の雰囲気のままで、地下商店街の様子も同様だった。
神戸の古くからの歓楽街といえば、新開地や福原遊郭とのことで、
その様子を冷やかしつつ、また地下鉄に乗って阪神神戸三宮駅まで。
ここは1930年代風にリニューアルされている。
直上のJR三宮駅も同様の意匠で神戸のモダンなイメージを表現している。

適当に安く飲めるところで済ませたかったのでサイゼリヤに寄ってから、
客引きの溢れる三宮駅周辺の飲食店街を抜けてホテルに戻った。

【2日目】2月11日(火・祝)

この日は晴天。8時半頃にホテルを出て、
三宮・元町・南京町・新開地・湊川公園・再び福原新地と、
神戸の新旧の繁華街をひたすら歩き回る。
どこに行っても商店街のようなところがあるが、
短い距離の間に様々な表情を持った街が次々と現れて、切れ目をつくることができない。
特に神戸らしいなと思ったのはやはりチャイナタウンである南京町だったけど、
やはり撮っていて面白いのは、こうした古くからの歓楽街や、下町風情があふれる街なのだろう。

それにしても特に元町駅から付近のアーケード街などを歩いていると、
小樽市によく似た雰囲気を感じる。
もし小樽が100万都市だったらこういう感じになっていたのだろうかなどと夢想。

一息つけてから、今度は浜手に向かって歩いてみよう。
元町駅から神戸駅付近は比較的閑散としていたが、ハーバーランドは今風のショッピングモールで、
観光客や家族連れなどで賑わっている。
あまりそそられるものはなかったが仕方がないので、ここで明石焼きとビールの昼食。
そんなに撮るものはないけど、落ち着けるのは実はこんなショッピングモールだったりもする。

午前中に随分と歩いたので(思えば最近はあまり歩いていなかった)すっかり疲れてしまい、
結局午後はメリケン波止場に佇んだり、港めぐりの遊覧船に乗ったり、ポートタワーに登ったりと、
まるで観光客のように振る舞う(当たり前のことなのだが)。
この日は暖かくていつまでも外にいられるのもよかった。

しかし、神戸港は国際的な貿易港としてはもちろんだけど、
観光地として非常によく整備されていて、
何時間でも滞在したくなる魅力に溢れている。
特に何をするというわけでもなくただぼんやりしているだけだが、
実際そんな人も多かったように思う。

札幌の大通公園もそうだが、何となく滞在したくなる心地の良い広場というものが、
一級の都市には必要なのだろうと感じた。

日没を迎えたくらいから、「シティループ」という、
市内の主要な観光地をめぐる市営バスに乗って街並みを眺める。
ホテル近くにも停まるし、ロケハンにも最適かもしれない。
時折うつらうつらとしながら1時間ほどバスに乗って三宮駅前で降りる。
この日は「ニューミュンヘン」というサッポロビール系のビアホールへ(他地域でいうとライオン)。
関西といえばニューミュンヘンの鶏の唐揚げだと勝手に思っている。
予想に反して若い客が多かった。

ようやく体力も回復してきたので、
最後にまた旧居留地や南京町・元町などの繁華街を撮り歩いて、21:30頃にホテルに戻った。
20キロほど歩いたのは久しぶり。神戸の主要な繁華街は一通り見られた気がする。

【3日目】2月12日(水)

この日は小雨。
大阪に出て、とにかく「乗り鉄」と「撮り鉄」の日にしようと思った。
最後に大阪に行ったのは2010年10月でしかも半日くらいだったからちゃんと街を見るのは初めてかもしれない。
まずは阪急電車で神戸三宮から大阪梅田まで。通勤特急で30分ほど。
阪急独特の高級感ある車両や、沿線風景、梅田ターミナルの威容を楽しむ。

そこから地下鉄御堂筋線に乗り換える。
御堂筋線といえば戦前に造られた停留所のドーム状屋根や、
モダンな照明などの意匠が特徴的だが、
大阪メトロに改組された現在でところどころリニューアルも進んでいる。

北方向の電車に乗って、終点の千里中央駅まで。
ここは相変わらずの姿のようだ。
隣の桃山台駅まで歩いて、千里ニュータウンや新御堂筋の風景などを収める。
以前も訪れたけど、何となく好きな場所だ。

また御堂筋線で何駅か撮りながら天王寺駅まで。
数年前にあの「あべのハルカス」が出来ていたこともすっかり忘れていた。
天王寺駅前も再開発で随分と変わったようだ。
その展望室には登らずに下のフロアにある近鉄百貨店で昼食。
相変わらず天気も下り坂だし、午後からはどうしようか。

午後は天王寺駅前から出ている阪堺電車に乗ってみようと思った。
大阪を走る唯一の路面電車で、また大阪でもっとも下町らしいと思われる街を走っている
(もっとも大阪はそんな街が他にもたくさんあるのだろうが)。
「我孫子道」まで乗って、大和川を電車が渡る様子や、安立町駅界隈の風景を撮る。
電車は次々とやってくるので、雨も気にせず街と電車と絡めて撮り続ける。
今回大阪で一番気に入った界隈だったので、
住吉区・住之江区界隈はまた訪れて撮りたいとも思った。

地下鉄四つ橋線とニュートラムを乗り継いで雨が降り続く大阪港の様子を眺める。
だいぶ歩き疲れてきた。
それでも地下鉄中央線に乗り換えて九条という駅で降りて、商店街を少し進んだところにある、
「松島新地」という遊郭を見物(詳述割愛)。
なんだかろくでもない場所ばかりを歩いている気もするが、
やはりこういうところも大阪らしくて好奇心は尽きない。
なかなか止まない雨や猫に導かれたりとなんだか「濹東綺譚」の世界を想起させる瞬間がいくつかあったのもまた一つの趣。

最後はまた梅田駅周辺に出て、
いわゆる「キタ」の歓楽街やすっかり再開発された駅舎などを見る。
この周辺はこれからもまだまだ変わっていくのだろう。
帰りは阪神電車にして神戸三宮まで。
結局この日も遅くまで撮り歩くことになった。
夕食をとるタイミングも逸して、結局コンビニで調達してホテルで済ませる。
この日も結局20キロほど歩いていた。

【4日目】2月13日(木)

この日は高速バスで神戸を離れ、香川県高松市へ向かう。四国に行くのは初めて。
三宮バスターミナルから、明石海峡大橋・淡路島・大鳴門橋などを経て高松駅前まで2時間半ほど。
郊外のバイパス道路沿いは全国どこにでもあるロードサイドショップが並ぶ光景だが、
街中に近づくとだんだん集積が進んでいくように見える。
高松市は人口40万人ほどということで、よくある地方都市をイメージしていたが、
思っていたよりもずっと都会のような印象がある。
四国の中心都市として、三越や様々な全国展開の商業施設、大企業や銀行などの本支店があり、
「リトル東京」的な雰囲気もある。
また、中心部にはいくつものアーケード商店街があって、全国一の規模だという。
そして街中を小さな電車で行き交う「ことでん(琴平電鉄)」に乗るのも目的の一つ。

バスが到着したJR高松駅は近年新築されたような感じで、
周囲も非常に綺麗サッパリとしている。
海に面したビルから海を眺めたり、とりあえずうどんを食べたりする。
海に出ると小さなフェリーが何隻も行き来している。
瀬戸大橋ができる前はこれよりもずっと賑わっていたことだろう。

そのフェリーターミナル近くにある「高松築港駅」から高松城跡のあたりで「ことでん」を撮る。
かつて日本中の私鉄などで走っていた旧型電車が高頻度で次々とやってくる。
それらにかつて乗ったことはないのだが、タイムスリップしたような気分になる。
いくつかの駅や沿線を巡ってから瓦町駅まで。
ここは3路線が集まっていて割と大きな駅ビルになっている。
周辺の繁華街をしばらく歩く。
最初に書いたようにそれなりの賑わいはあるのだが、
とりわけ地元の人・観光客に関わらず、どういうわけか若い人々が多い。
そして大量の自転車が走ってくる。

香川県庁舎が見えてきた。
ここが高松を訪れた最大の理由といっていい。
香川県庁舎(東館)は1958年に竣工された建築家・丹下健三の代表作で、
つい最近に天井板や敷石などを作り直して竣工時の姿に復元されたという。
1階ロビーにはこの建築についての展示が行われていて、
県にとってこれまでもこれからも重要なシンボルなのだろうと感じた。
天気もよく、しばらく内外を撮り続けていた。どこから見ても美しい。
決して広い敷地面積というわけではないが、様々な工夫がされていて、
丹下がもっとも大切にした「都市には(庁舎には)民主的広場が必要」という思想を表現しているように感じた。

ここでようやく乗れるタイミングができたので高松市内各所を巡る「まちなかループバス」に乗る。
観光用というよりは繁華街や学校・病院、団地などの主要施設を回るもので、
住人の目線で街の様子を知るには最適なものかもしれない。
1周でだいたい2時間くらいで、自分のように乗り通す人はいない。
1周の4分の3くらい乗って、競輪場前で降りる。
バス停の向かいには「旧香川県立体育館」がある。
これも丹下健三作品で代表作である代々木第一体育館とよく似た構造をしている。
遠くから見ると巨大な和船のようにも見える。
建設は同じ1964年だが、こちらは6年前に閉鎖されてそのままにされている。
ひょっとするともう見られないのかもしれない。

ここから少し歩いて漁港に出る。
対岸にある半島にはソープランド街のネオンが林立している。
もとは八重垣遊郭といったらしく、港町として栄えた結果の一つなのかもしれない。
それにしてもまるで海上に浮かんでいるように見える、なかなか圧倒される景色だった。
この手の街にはどういうわけか猫をよく見かけるのだが、
この時も驚いて木から降りられなくなった猫がいて、
近所の人と救助しようとした(猫は結局自力で落ちていった)。

そうしているうちに日が暮れてしまった。
また歩き疲れてしまったので、一度ホテルに戻る。
旅の最後にやっぱり飲みに行きたいと思って、
ホテル近くの居酒屋で瀬戸内の魚介やら讃岐地鶏を楽しむ。
結局はいつものサッポロビールだったけど。

その後は片原町や丸亀町などの歓楽街を歩く。
また雨が降ってきた。
それにしても、いわゆるナイトスポットが盛況のようで、
昼夜問わない活気を高松に見た。

【5日目】2月14日(金)

この日も雨。
帰りのバスまで2時間近くあるから、
前日にあまり撮れなかった日が昇ったあとの中心部も撮っておきたい。
ことでんは路面電車の専用軌道のような趣で、町中の至るところに踏切がる。
電車は頻繁にやってくるから町中の常にどこかで鐘が鳴っている。

通勤時間帯だったから自転車が非常に多い。朝の歓楽街の様子もまた雰囲気がある。
短い時間で忙しく撮りまわったけど、街の様々な表情が見えて楽しい撮影だった。

また高速バスで神戸に戻る。
到着直前の阪神高速で若干の渋滞があったが、それでも帰りの飛行機まで時間があることがわかったので、
友人からおすすめしていただいていた三宮駅前の「にしむら珈琲」へ。
久しぶりに美味いコーヒーを飲んだ気がする。
店内は非常にレトロな感じだが、老若男女様々な人がひっきりなしに訪れる。
かつては札幌にもあったものだが、こういうお店がある街はやっぱりいいと思う。

最後にポートライナーでポートアイランドの様子を見てから神戸空港へ。
ここから札幌まで帰りはいつもあっという間、と言いたいところだが、
この日に限っては羊ヶ丘通が渋滞していて帰宅までに随分とかかってしまった。

そして例年に比べればずっと少ないとはいえ、雪の降り積もる街に戻るのは、
ほっとするのと同時になんとなく気が重くなるものである。